広島市立大学 情報科学部 知能工学科
社会情報学研究室
ビッグデータ社会におけるメディア処理とユーザエクスペリエンスに関する研究に取り組んでいます.
- 人が楽しみながら情報探索を続けられるための検索インタフェース
- 人の知識や感情を視覚的に表現するための情報提示手法
- 地域の教材化に関する研究
- コンピュータに知的な処理を行わせるための情報解析手法
- ネットワークから見る社会
キーワード:
情報検索,ユーザインタフェース,感性情報処理
学習科学,地域貢献,デジタル化
社会ネットワーク分析,ゲーム理論,シミュレーション
お知らせ
- 2021-04-01
-
教員3名体制となりました.
- 2020-04-01
-
研究室名が変更となりました.
Research
研究
人が楽しみながら情報探索を続けられるための検索インタフェース
電車の乗り換え方法を探す,面白そうな本を探す,おいしいレストランを探すなど,私たちは,日々,さまざまな「探す」場面に遭遇していると思います.この「探す」場面を支援する技術が,皆さんご存知の検索システムです.探したい情報のイメージ(情報要求)がぼんやりしている時に,キーワードを入力できなかったり,どのカテゴリを選択したらよいか分からなかったりなどと,困った経験はありませんか?
人と検索システムを直接つなぐ大きな役割を担うのが,検索インタフェースです.この検索インタフェースに着目し,曖昧な情報要求に対応できる検索条件の入力方法や,検索を進めやすい情報の提示方法について研究しています.実店舗では,さまざまな商品に出会ってワクワクしたり,思いがけない商品を見つけてウキウキしたり,たとえ時間がかかったとしても「探す」ということは楽しいですよね.この感覚を大切に,人が検索すること自体 を楽しみながら,満足のいく情報へ導かれていくような検索インタフェースの提案を目指しています.
人の知識や感情を視覚的に表現するための情報提示手法

購買行動において,商品に対する期待度と商品消費後の満足度には,相互関係があるといわれています.期待度が高すぎると満足度は低くなる傾向にあり,悪い口コミが広がる可能性が出てきます.一方,期待度が低すぎると,そもそも商品を購入してもらえなくなる可能性が出てくるため,機会損失につながります.商品本来の価値で評価されるよう,期待度と満足度を近づけるために,消費者の感情を色彩化し,商品パッケージに適用する手法について研究しています.
また,人が選択した色彩をもとに,その人の感情を推定できるという色彩心理学の概念を活用し,潜在顧客をとりまく色彩情報から,その人の商品探索過程における感情を推定し,商品を推薦する手法について研究しています.
地域の教材化に関する研究

地域の課題や資源をデジタル化し,学びを通じて未来へつないでいくという観点から取り組んでいます.学びを支援するため,eラーニングシステムを用いたLearner Centered Learningの実現を目指しています.これまで,MR/VR/AR技術などを利用し,カキの食害,豪雨災害,伝統工芸などを対象に研究してきました.
コンピュータに知的な処理を行わせるための情報解析手法
教育現場において,eラーニングや多数の生徒を相手に授業を行っている際など,講師が生徒の学習状態を把握することが難しい場合があります.そのような場合に,人間の身体の動き,音声,顔の動きや表情など,検出したい情報をプログラミングにより比較的容易かつ正確に認識することができるKinectを活用する研究を行っています.生徒の学習状態を識別し記録することで,授業中の生徒の行動を把握でき,より生徒の興味を引くような授業内容や授業方法に改善することができます.
実験では,生徒をKinectで撮影し,生徒がどのような状態であるかを識別しながら,モニターでその正確さを記録しています.ここでは生徒の状態として,「本を読む」「ノートを取る」「寝る」「スマホを触る」「質問をする」「よそ見をする」を取り上げています.今後はさまざまなパターンを設定することで,より正確なデータを取得することが可能になります.また,その新たな活用方法の提案が期待されています.
ネットワークから見る社会

私たちの社会には,人と人の繋がりをはじめとする様々なネットワークが潜んでいます.これらは私たちの個々の社会的活動が形作ったもので,また私たちは自分たちを取り巻くネットワークに強く影響を受けていますが,私たちは通常,ネットワークのごく一部だけを認識できていて,ネットワーク全体がどうなっているのかについては認識していません.
社会ネットワーク研究は,数理モデルとコンピュータシミュレーションを駆使しながら,社会に潜むネットワークの構造・機能や,その成り立ちの仕組みや,より効率的なネットワークの実現のための制御・誘導の仕組みを明らかにすることで,未だ知られていない社会の有り様を明らかにすることを目指す研究です.具体的には「コラボレーションネットワークの分析とモデル化」(図参照)「自律的・分散的に構築される社会ネットワーク構造」「感染症拡大を抑制する社会ネットワーク」などの研究テーマを実施します.
Member
構成員
教員
梶山 朋子准教授 Tomoko Kajiyama
岩根 典之准教授 Noriyuki Iwane
今井 哲郎講師 Tetsuo Imai
修士1年生
石田 雄貴 Yuki Ishida
大久保 雄太Yuta Ohkubo
古市 淳 Atsushi Furuichi
学部4年生
内山 七香 Uchiyama Nanaka
小田 晃之 Teruyuki Oda
河野 友泉 Yumi Kohno
角貝 幸輝 Koki Tsunogai
西本 理紗 Risa Nishimoto
藤井 百花 Momoka Fujii
藤澤 真聡 Masato Fujisawa
矢舗 竜 Ryo Yashiki
山本 大徳 Hironori Yamamoto
Publications
研究業績
教員の研究業績
広島市立大学教員総覧
指導学生の研究業績
学術論文
- 井上真佑希, 梶山朋子."味覚印象と商品情報を表現する色抽出と飲料パッケージ画像への適用," 日本感性工学会論文誌,Vol.21, No.2, pp.167-174, 2022.
- 武田玲菜, 梶山朋子. "商品の外観に対する消費者ニーズを表現した化粧品容器の形状," 日本感性工学会論文誌, Vol.21, No.1, pp.1-8, 2021.
- Takashi Ito, Kenichi Takahashi and Tomoko Kajiyama,"Effects of Resting Actions Using Smart Toys During Break Times on Concentration in E-learning,"Advances in Science, Technology and Engineering Systems Journal, Vol.5, No.5, pp.1147-1153, 2020.
国際会議
- Shota Nakamura and Tomoko Kajiyama. "A More Effective Book Search System Utilizing Colors Reflecting Reader Impressions," The 16th International Conference on Ubiquitous Information Management and Communication (IMCOM 2022), 4 pages, 2022.
国内研究会ほか
- 大久保雄太, 今井哲郎. "看護系論文共著ネットワークにおける地縁情報を用いたリンク予測," 第17回ネットワーク生態学シンポジウム, P2, 2 pages, 2022.
- 大野航生, 今井哲郎. "SNS ユーザの支持情報を用いたファッションブランド間の関係性の分析," 第14回データ工学と情報マネジメントに関するフォーラム(DEIM2022), F23-4, 8 pages, 2022.
- 宗盛隆紀, 梶山朋子. "人の選択した服装からの感情推定と購買活動との関連性の調査," HCGシンポジウム2021, B-5-5, 6 pages, 2021.
- 宗盛隆紀, 梶山朋子. "漠然とした情報要求からの探索を支援するトレーディングカード検索システム," 日本デジタルゲーム学会第11回年次大会, 5-1, 4 pages, 2021.
2021年度
修士論文
- 宗盛 隆紀 : 色彩情報と視線情報を活用した商品推薦提示システム
卒業論文
- 粟田 里和 : 一次元属性と階層構造属性を扱えるファセット検索インタフェース
- 石田 雄貴 : ウェブ小説に対する表紙画像の生成と有用性の検証
- 大久保 雄太 : 看護系論文共著ネットワークにおける地縁情報を用いたリンク予測に関する研究
- 大野 航生 : SNSユーザの支持情報を用いたファッションブランド間の関係性の分析と可視化に関する研究
- 喜多 紘也 : 視線追跡ソフトWebGazerを用いた学習状況の視線パターン検出
- 古市 淳 : ウェブ小説に対する表紙画像の生成と有用性の検証
- 山中 彩加 : デジタルテキストへの書き込みを利用した問題生成システム
2020年度
卒業論文
- 武田 玲菜 : 消費者ニーズを反映させた化粧品パッケージ生成に関する研究
- 中村 翔太 : 読者の印象を色彩化した書籍探索システム
2019年度
卒業論文
- 井上 真佑希 : 消費者の感情と商品情報を反映させた色彩抽出と飲料パッケージ画像への適用
- 上田 昌輝 : eラーニング時の休憩におけるスマートトイとの関わりの影響
- 大石 蘭丸 : コミュニケーションロボットを用いた休憩行動が与える学習への影響
- 竹野 翔太 : モンテカルロ法を用いたトレーディングカードゲームのプレイヤーエージェントの構築
- 藤原 光史 : 釣り場情報と魚の外観的特徴からの検索を支援する釣り魚図鑑システム
- 宗盛 隆紀 : 漠然とした情報要求からの探索を支援するトレーディングカード検索システム
2018年度以前は,学科ホームページ(学内限定)をご覧ください.
Access
アクセス
〒731-3194
広島県広島市安佐南区大塚東3-4-1
情報科学部棟 6F